トラブルに見舞われた設営 その2


全体の1割程度だが、傷がついてしまった大型の展示作品は
細心の注意を払って色調や濃度の調整をしながら
会期に間に合うように、特殊なプリンターで少しずつ出力してきたものだ。
直ぐに次のものを用意しようとするが、その多くは間に合わせることが出来ない。
設営の会場は重い空気に包まれた。

間に合わない作品を、どうするかで設営側から提案されたのが経師貼りだ。
しかし、それは作品の展示というよりは壁の装飾に近いやり方だ。
出力の精度も期待はできない。
悩み抜くぼく、しかし、会期は迫る。

ぼくは、考えに考えて、これしかないという答えを出す。
このトラブルを逆手にとるやり方はひとつしかない、前述のように
展示の空間自体をつくり変えて、浜田省吾に囲まれるような仕掛けにするしか方法は見当たらない。
つまり、美術的な展示を、広告的展示に切り替える事で
美しさより迫力を選んでみるのだ。
直ぐにみんなにそのことを告げ、壁の新たなデザインに取り組むが
一箇所をデザインし直すと、それは会場全体のレイアウトに影響する。
土壇場で大変な仕事になってしまった。でも、やるしかない。
結局それから48時間をかけて、
ぼくは壁のデザインを描き直すことに。

展示の内容に変更は加えなかったが、壁自体をカッコ良く見せなくては、
というデザインに追われ、ぼくはやろうとしていた幾つかの展示プランを
進めることが出来ないまま初日を迎えてしまう。

出来上がっていく壁を見ていると理想的な出力ではないが、
発想の転換を図った展示は思わぬ迫力に満ちていた。
これは災い転じて…と自分に言い聞かせていた。
しかし、つぶさに会場を見ていくと「J.BOY」をテーマにした壁だけが沈んでいる。
ほかの壁が迫力を増した分、弱くなった印象だ。
作品に傷はなかったが「J.BOY」を見劣りさせるわけにはいかない。
そこで「J.BOY」の壁もデザインし直すことに。

理想的な美しい色合いで楽しんでもらうのか、
迫力の展示で楽しんでもらうのが良いのか、
自分では、どちらがいいのか分からなくなっていた。
ただ最後となった「浜田島V」に必要なのは
これまでの「浜田島」にはなかった面白さを優先させることのような気がした。

角を曲がると思わぬ壁が広がっている。
そんな意外性を「浜田島V」で楽しんでもらえるとしたら、
それはそれで正解かもしれないと思った。

     (田島照久)
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トラブルに見舞われた設営 その1


地下街や地下鉄の構内などで巨大な看板に囲まれた経験はだれしもが持っているのではないだろうか。
それがアイドルであれ、映画スターであれ、あるいは新車の宣伝であれ、その大きさには感動を覚えるものだ。

設営の初日、ぼくは目眩がするほどのショックに見舞われていた。
この一年をかけて丁寧に出力をしてきた数十枚の作品に
展示段階で設営側のミスが起き傷がついてしまったのだ。
2日後に会期は迫っていて、ぼくは、どうしようもない状況に追い込まれてしまった。
それからぼくは、考えに考え抜いて、ある結論を見い出していった。

    つづく     (田島照久)
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「光と影の季節」のライブ映像作品 つづき


つづき(長いので興味がある方はどうぞ)

 マリンメッセの最前列、左から3席目の少し前方にぼくは三脚を据えた。
暗闇のなかでスイッチを入れる。ワンカメによる定点観測のような映像撮影の始まりだ。
 町支くんのカッティングが気持ちのいいリズムを刻むと、ベースとドラムがからみ、直ぐに浜田くんは後方に下がって行く。思ったとおりで、ぼくの好きなアングルは浜田くんの前後方向の動きを捉え始める。
 だが曲が始まると同時にカメラが揺れ始めた。まずい!ひどいブレだ。だが仕方がない。観客席ギリギリに三脚をセットしているからノリ始めたアリーナ席の振動をモロに受けているのだ。ぼくは、やぶれかぶれでほんの少し三脚をずらす。すると、なんと、揺れが消えた。三脚をズラしたところに大きな違いはないのに、ピタッと画面は止まって録画が進んでいく。何が起きているのか分からないが、とにかく揺れは全く無くなっている。奇跡だ。
 ステージを見ると浜田くんの歌声が素晴らしい、バンドの演奏もクオリティが高く順調に演奏は進んで行く。まるで演出でもしているかのように、浜田くんは前後の動きのなかで変化に富んだステージパフォーマンスを見せてくれている。ぼくがここで撮影していることなんて知るはずもないから自然な動きだ。「ON THE ROAD 2016 」最後となったマリンメッセ公演のアンコールだからなのか、リラックスした伸びやかな歌声に聴こえる。もう少しで長かったツアーも終わるという開放感を感じる。バンドも楽しそうだ。
 長田氏が粘っこいギターソロを決めると、後半に突入し、そのままカッコいいパフォーマンスは続いて行く。ワンカメで撮るしかなかったぼくの撮影にバンドも動いて応えてくれているかのようだ。
 やがて、無事に歌が終わり最後の動きを緊張気味に待っていると。浜田くんは、なんと、ぼくのカメラ方向に向かって近づき始めた。慌ててピントを合わせる。これは二回目の奇跡だ。もし反対側の声援に向かって応えていたら失敗だったが、ステージ真横のぼくが居る方の観客の声援に向かって応えている。これでカッコいい最後の動きが真正面から捉えることが出来たのだ。
 エンディングのサックスに合わせて浜田くんがバンドの方に振り返ると、その背中は4分44秒の演奏の終わりを告げていた。
どの場面も絵になっていた。何も言う事はないほどの素晴らしい映像が記録されていた。
ぼくが撮っているいつもの写真がそのまま動いたのだ。福岡までやってきて良かったと思った。
「浜田島」ならではの作品がひとつ出来たことが嬉しかった。

こんなゲリラ的な撮影映像の「浜田島」での上映を許してくれた浜田島委員会に感謝。

「浜田島」という特別な空間でしか発表出来ない映像。
たまにはスイッチング無しのワンカメによるライブ映像を楽しんで欲しい。
これは2017年4月27日、福岡マリンメッセ、アリーナの最前列、左から3席目で観た浜田省吾の真の姿なのだ。

                          田島照久
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MEDIA情報
本日12月27日、日刊スポーツ朝刊に浜田島の記事が掲載されました。

下記よりWEB版でもご覧いただけます。
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201712260000615.html



浜田島制作委員会
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「光と影の季節」のライブ映像作品 その1


「浜田島」でやり残したひとつがライブの映像作品をつくることだっだ。
ぼくはフォトグラファーとしてライブでは写真だけを撮っている。いつも思うのは、ぼくが撮ったかっこいい写真が動くものにならないだろうかということ。だが映像をひとりで撮ることは不可能に近く、その上、ステージ下で写真を撮っていても映像班からはイヤな目で見られる始末だ。つまり写真は望遠で離れて撮ってろと言わんばかりに疎ましがられている。
そこで、今年の4月に「ON THE ROAD 2016」の最後の公演となった福岡のマリンメッセに向い、ぼくは誰にも言わずに映像カメラを仕掛けた。ぼくが最も浜田省吾をカッコ良く撮れると思っている特別の位置にだ。どうせステージ下は映像班がいちばん良い位置を抑えているからそんな場所は皆無に近い。だが、ぼくがカッコいいと思う浜田省吾を撮る位置はそこではないから幸いだ。但し観客やスタッフの動き次第では撮れないかも知れない位置ではある。
案の定、一日目は失敗だった。三脚に載せたカメラはぶれていて、時にスタッフに遮られ、浜田くんの動きも逆方向にしか動かなかった。
しかし2日目に奇跡が起きた…(つづく) 

                           田島照久
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